2006年5月21日日曜日

国家の品格

先日、病院に行った際に帰りの電車を待っている間に本を買いました。
それが『国家の品格』



その日の朝刊にその本の広告がドーンと載っていたので気になっていたところ、タイミング良く本屋に行く機会ができたわけです。その広告には養老孟司氏をはじめとする知識人による絶賛の言葉が綴られていたので、普段は心動かされない私でもちょっとくすぐられてしまいました。そして、何よりもその本の著者が数学者であるという点が大きな魅力であるわけです。
藤原正彦といえば、新田次郎の息子であることも有名です。
まぁ、そんな前置きはいいとして、肝心の本の内容です。

残念ながら、まだあんまり読めてないのであれこれと批評を書くこともできません。
しかし、最後の方をちらりと読んでいるので、「これが著者の最も言いたいことだろう」と推測することはできます…。

ニュースを見れば、毎日のように殺人事件が報道される。それも前例のなかったような残酷なものであったり、不可思議なものであったり…。そして、街を見渡せば人々のモラルの低さには辟易してしまう。はたまた、耐震偽造問題、ライブドア事件等、企業人のプロフェッショナルとしての意識がなく、利潤至上主義が蔓延してしまっている。
かつての道徳心が高く、礼儀正しい日本人はどこへ行った?という話になるわけです(これは私の意見ですけれど…)。
まさに国家の品格を疑われるという始末です。まぁ、それは○○大国にありがちなことではないかと思うんですけれどね。

そこで、藤原氏はいくつかの提案を挙げています。
中でもユニークだなと思ったのは、『役に立たないものを尊ぶ土壌が大切』というくだりです。著者自身が数学者なので、数学が実生活にそれほど役に立たないことを認識しているのでしょう(苦笑)。よく言われることですが、因数分解が日常生活のいったいどこに役立つんだ!?っていうわけです。私自身はそんなことをゆめゆめ思いませんでしたけど…。

文化だとか、芸術だとか、そういうものは日常生活には正直言って必要ないでしょう。
しかし、そういったものがあることで人間性というものの培われていく。
先日もイタリアのフィレンツェでガリレオ2000賞を受賞した北野武監督も同じようなことを言ってた。
『芸術だなんてものは、そもそも生活には必要ないもんであって、そいつを作れてるってことは素晴らしいことだね(のようなことをインタビューで言ってたと思う)。……芸術ができる環境は平和であること。芸術に命を懸けられるのは素晴らしいことだと思う(←ここはニュース記事から割愛させてもらった)

人々の心が荒んでいっては芸術を尊ぶ精神も培われない。
政府も企業も効率化や利潤ばかりを追い求めるのではなく、人々の生活にもう少し『役に立たない』ものが入り込める隙間を作ってはどうなんでしょうか。

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