2007年1月17日水曜日

追記:ホワイトカラーエグゼンプション

ちまたで騒がれていた『日本版ホワイトカラーエグゼンプション』は結局今回は見送りということになりました。

「働く人、敵に回せぬ」世論読み誤った残業代ゼロ断念

しかし、これで今後一切ホワイトカラーエグゼンプションの話がなくなるかといえば、そうはならない(だろう)わけで、今回の見送りはあくまで“参院選で勝つ”ための決定であり、政府(というより経団連か?)の考えはこれでおしまいということにはならないでしょう。

たしかに、今回の日本版ホワイトカラーエグゼンプションに関しては、『残業代ゼロ』がマスコミによって異常に誇張されすぎて、本来のホワイトカラーエグゼンプションというものの目的が明らかにされなかったこともあります。もちろん、日本版ホワイトカラーエグゼンプションには政府や経団連の思惑がかなり注ぎ込まれ、マスコミの謳うところの『残業代ゼロ』の表現が正しいのかもしれませんが、アメリカなどで行われている同制度がそれと同一のものだとは判断されてしまいたくないのです。

ただ、ちゃんとした議論があんまりされないまま制度が通過することがなくて良かった。
それよりも、もっとこうしたことに鼻を利かせて、制度の向こう側にある本当の狙いというものを嗅ぎ分けられるようになりたいですね。

「働く人、敵に回せぬ」世論読み誤った残業代ゼロ断念
2007年01月16日23時01分

 一定条件の会社員の残業代をなくす「ホワイトカラー・エグゼンプション」(WE)の法案提出を見送ることになった背景には、夏の参院選を前に「サラリーマンを敵に回したくない」との与党の判断に加え、世論の反発を読み誤って、導入を急いだ政府の拙速な姿勢がある。だが、WEは、パート労働法改正や最低賃金の引き上げなど、一連の労働法制見直しとセットで調整してきた経緯があり、経済界の反発は必至。他の法案審議にも影響を与えそうだ。

 自民党の中川秀直幹事長は16日の記者会見で、「新聞に『残業代ゼロ制度』などと書かれているようでは、制度の本来の内容、目的がまったく十分に説明、理解されているとは思えない」と指摘した。自民党国対幹部も15日、「試合終了だろう。(与党側と)相談もせずに法案を提出するしないを判断できるのか」と語り、公明党幹部も「我が党の雰囲気は極めて厳しい」。外堀は、ほぼ埋まった。

 しかし、官邸が当初から、WEへの反発の大きさをしっかり認識できていたわけではなかった。

 首相は5日、与党の慎重論について問う記者団に、「日本人は少し働き過ぎじゃないかという感じを持っている方も多いのではないか」と、制度が労働時間短縮につながると説明。WEは「少子化(対策)にとっても必要」と、法案提出を目指す考えを示していた。

 柳沢厚労相は「(与党の反発には)誤解がある」と与党幹部らの説得に回ったが、格差問題などへの対応が迫られるなかで、「経済界寄り」の法案は野党に格好の攻撃材料を与えかねず、参院選に影響するとの懸念がさらに強まった。政府関係者は16日、与党側の「最後通告」に近い反発を前に、「根回しも足りないまま打ち上げ、説明が後手に回った。こういう状況になった以上、今国会は出せないということだ」と悔やんだ。

 一方、厚労省の準備不足も際立った。昨年末にまとめた審議会の報告書では、対象者の年収条件を明記せず、労使の対立した主張を併記。与党の反発を受けて「年収900万円以上」などの条件を示したが、対象者が「20万人」という試算はどんぶり勘定。かえって労働側から「導入後に範囲を拡大する意図が見える」などと批判を招く結果になった。

 ただ、今国会で改正を予定している労働関係などの法案は、労使の利害調整を経て「寄せ木細工」(厚労省幹部)のようになっている。産業界が求めるWEを実現するのとセットで、労働側が求める残業代の割増率アップや、最低賃金法の強化などを産業界に受け入れさせた経緯があり、この日もパート労働法の改正案要綱が出たばかり。パートへの厚生年金の適用拡大の議論もこれからのタイミングだ。WEを認めないとなれば、全体が崩れるおそれがある。

 日本経団連幹部は「WEの見送りは、総理の決断だから仕方がない。だが、(パート労働法改正など)全部セットの話なんだから、全部なし、ということだ」と話す。

 一方、連合も「見送りは選挙目当て。参院選後は提出に向け再び動き出す」とみる。他の法案への影響を懸念し、「手放しで喜べない」のが本音だ。


労働時間規制除外法案、首相が通常国会提出を断念

 安倍晋三首相は16日夜、一定条件を満たす会社員を労働時間規制から外す「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション」を導入するための労働基準法改正案について「現段階で国民の理解が得られているとは思わない、働く人たちの理解がなければうまくいかない」と述べ、25日召集の通常国会への提出は困難との認識を示した。首相官邸で記者団の質問に答えた。

 労働時間規制除外は勤務時間の長短で成果を評価しにくい業務に携わり、年収が一定以上ある会社員が自らの裁量で労働時間を決めることができる仕組み。政府・与党は7月の参院選などを控えて野党側が「残業代ゼロ制度」などと批判を強める中、法案を提出しても国民の理解を得るのは難しいと判断した。

 厚生労働省は同制度導入のための労基法改正案のほか、最低賃金法改正案などを労働市場改革関連法案として今国会に提出する方向で検討していた。今後、労働市場改革関連法案すべての提出を見送るのかどうか調整を急ぐ。

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