2008年12月16日火曜日

書評:『「つらぬく」経営』

たぶん、いま世のビジネスマン(特に中小企業の経営者)が手にして最も読んでいる本の1冊だと思います。

「つらぬく」経営 世界で評価される小さな会社・池内タオルの真髄「つらぬく」経営 世界で評価される小さな会社・池内タオルの真髄
池内計司

エクスナレッジ 2008-11-28
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私自身、中小企業に勤め、そこの経営幹部の1人なのだが、常日頃、自分の力不足と不甲斐なさというものにいやというほど直視しなければならない日々を送っているところです。

「こんな商売やることなんて、俺は生まれてこのかた、これっぽっちも思ってなかったんだよ!!」

「俺には医学部の道が開けてたのに、どうしてこんなところに引きずり込んだんだよ!!」

と愚痴をこぼしたのは、もう過去のこと。いまはこの運命と呼ぶべきかどうか分からないけれど、それを受け止めてます。そして、前に進むしかない。立ちはだかる壁は貫き、ぶち壊す!!そんな気持ちではいるけれど、闇雲に突っ走れるほど若くはない。

そんなとき、
衰退産業・地方・中小企業・民事再生。
「四重苦」を背負った会社でも、世界を相手にできる!
というコピーに胸をズキュゥーンと打たれ、本書を読み始めた訳です。

池内タオルのある愛媛県今治市といえば、昔から日本のタオル産業のメッカであることは有名で、染色業を生業としているウチの会社も今治とは切っても切れない縁があります。

しかし、日本の景気が底なしに悪くなり始めた数年前から、今治にあるタオル会社はバタバタと店をたたんでいった、という背景があります。まぁ、そこにはタオルの生産が日本国内から海外に全体的にシフトしたせいで、中小のタオル会社は運営していけなかった、という悲しい時代の流れがあったりしました。

そんな今治で、自社の売上げの7割を閉める取引先の倒産という出来事に直面し、民事再生法を適用せざるを得なくなった池内タオルの復活劇(というと、著者の池内氏は「まだまだそんなことないですよ」といいそうだけど)は、経営者である池内氏のひたむきな努力と情熱の表れだと思いました。

「この人だから会社を立て直すことができたんだよ」

というのは、この手の本を読んだ後によく思うことなのだけど、今回は違った。

経営者っていうのは、やっぱり情熱を持って自分の思い描くビジョンを具現化していける強さを持たなきゃならない。自分の目指すところを決めたら、そこへ向かってブレないで突き進む。

まさに「つらぬく」のが経営なのだと…。

自分の作っているものを愛する。それができるかできないかで、かなりの差が生まれてくるんじゃないだろうか?
…常に愛情をもち続けられるような商品をつくっていかないと、成り立たないのです。まずは、タオルへの情熱、強い愛情がすべての基本にあるといえます。
仕事が製造業なら、自分たちが作っているものをとにかく好きになること。それが閉塞感を打破するきっかけになるのだろうと思います。

「自分たちの作っているものを好きになれない」と愚痴をこぼすなら、「自分自身が欲しくなるようなものを作ればいいじゃないか!!」ってことです。

「わかっちゃいるけど、なかなかそうもいかないんだよなぁ…」

などと言っていたら、金も運も人もみんな逃げていってしまうでしょうね。

「経営っていったい何なんだ?」と悶々としていたのが晴れていきましたが、同時に自分に何が足りないのか(足りなさすぎ!!)を思い知るところとなりました。

「風で織るタオル」を手に入れて、いろいろと勉強させてもらおうと思ってます。

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